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電子顕微鏡用電子銃の製造

電子顕微鏡用電子銃の製造

当社は1967年に電子顕微鏡用フィラメントの製造メーカーとして創業しました。半世紀以上に渡り世界中の電顕メーカーに安定した品質と数量で供給し続けています。

熱電子銃 (thermal-electron gun)について

熱エネルギーを利用して電子を放出する仕組みであるため「熱電子銃」とよばれています。タングステンの細線を陰極の材料としたフィラメントが一般的で、電子顕微鏡の普及機であれば、ほぼこのタイプが搭載されています。

大和テクノシステムズ熱電子銃の特長(単体 / プリセンタード / ウェネルト一体)

  • 芯出し調整が不要のプリセンタードタイプは、装置への取り付けが簡単
  • ウェネルト電極一体型では、ユーザー様でのウェネルトクリーニングが不要となるだけでなく、フィラメント破損リスクも減るため、より一層便利にお使いいただけます。※模式図参照
  • 交換用フィラメントのみではなく、引出し電極など含めた電子銃ユニットの一括組立製造も請負いたしております。

安定な品質

高品位な材料を使用

高品位な材料を使用

ただのタングステン線では電子銃としては用をなしません。約2500℃という過酷な環境で性能を発揮するには、高品位な材料が必要です。

フィラメント専用の溶接機を独自に開発

フィラメント専用の溶接機を独自に開発

線径φ0.02の極細線からφ0.5程度の極太線まで、精密な溶接を行います。それぞれの形状に合わせた製造のため、溶接治具や検査治具を自社で設計して使用しています。

さまざまなニーズに対応できるのは熟練職人のなせる業

さまざまなニーズに対応できるのは熟練職人のなせる業

微細な溶接の溶融状態を制御し、確認します。熟練者ともなると、ときには見えないものを見ることさえあります。

電子顕微鏡のために特化してきたコア技術とノウハウの数々

電子顕微鏡のために特化してきたコア技術とノウハウの数々

当社は、元々が溶接屋でも切削屋でもなく「電顕用フィラメント屋」です。戦後、産官学が電子顕微鏡を研究開発し発展する中で、多くの技術実装をお手伝いしてきました。

高精度寸法検査と万全な外観検査

高精度寸法検査と万全な外観検査

熱電子銃はユーザー様が直接交換されることも多くあります。性能だけでなく、外観へのこだわりにもお応えします。

試作開発への対応

線材、線径、形状など、条件を振ってのテストでは、豊富な材料在庫と経験をもつ弊社にお任せください。金型を要しない少量のセラミック成形や、お持ちのフィラメントからの改造も実績が多くあります。

量産から海外取引まで幅広い対応力

職人芸の試作から、マルチラインでの大量生産へ移行するノウハウも持っています。月産1000や2000本の量産も可能です。また海外との取引実績も多数あるため、製作部品の海外取引も柔軟に対応します。

熱電子銃の構造及び製造特徴

熱電子銃の構造及び製造特徴
材質:W、Re-W、Re、など

多種多様な先端形状(シャープド型、セミポイント型、ポイント型)

材質:Kovar、Mo、Ta
  • コバール(Kovar)鉄ニッケル系合金で、ガラスでの封止ができるため、真空部品で広く使われています。
  • モリブデン(Mo)非磁性の高融点金属として、電子光学の高級部材です。主にメタライズろう付けで最高級品に使われます。高融点材同士での溶接には高い技術を要します。
  • タンタル(Ta)Moと同じく非磁性の高融点金属として、高級品で用いられますが、ガラスシールでの固定も可能です。やはり高融点材料同士の溶接には、大変技術を要します。
材質:アルミナ(Al2O3)、ステアタイト(MgO-SiO)
細線とピンの結合:スポット溶接
ピンとセラミックの結合:ロウ付け、ガラスシール
  • ロウ付けセラミック表面にメタライズ処理を施し、ロウ付けでの場合、封止を行う方法です。
  • ガラスシール熱膨張率を調整したガラス(コバールガラス)を用いて、セラミックとピンを固定します。コストと納期はロウ付けよりメリットがありますが、気密性と使用温度に条件がつきます。

冷陰極型電界放出型電子銃について

電界放出型(FE)エミッターは、熱電子型のフィラメントより格段に高い加工技術を要します。タングステン同士の溶接、単結晶チップの研磨加工などの当社特殊技術が最先端のハイエンド装置に活かされています。主に研究機関や大学向けに、試作品製造をお手伝い致します。

電子銃の製造に関するよくあるご質問

電子ビームが安定しない

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材料の品質が悪いフィラメントでは、電子ビームのブレ、ドリフトに悩まされます。
酷い材料を使ったものでは、クラック(ひび割れ)であっという間に断線する物もあります。
当社は電子源に適した高品質グレードのタングステンフィラメント材を電顕検査を行い厳選した部分を用いております。

試作開発に対応して欲しい

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試作プロジェクトでは、設計と製作と両方の見識、経験が必要です。
当社は長年の経験とノウハウで、設計・製図からお手伝い致します。また、条件を変えたテスト対応も可能(材料、フィラメントの線径、フィラメント形状、条件出し)で、電子顕微鏡メーカー、大学、研究所の試作案件の実績がございます。

少数ロットで対応してくれない

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小ロットの商業生産も得意です。
世界で2〜3台しかない専用装置向け製品なども、実績ラインナップにございます。

量産化したい

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当社からは、年産1万本を超える量産品フィラメントも、世界に供給されています。量産用の生産体制を整えていく経験値も豊富です。