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電子源・X線源用フィラメント加工

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電子源・X線源用フィラメント加工の溶接・組立技術・熱処理

電子源・X線源用フィラメント加工の溶接・組立技術・熱処理

タングステン製のフィラメントは、電子顕微鏡には電子源として、分析装置にはイオン源またはX線源として広く活用されています。
当社で製作しているタングステンフィラメントは、材料選定から細線加工、スポット溶接、精密組立、真空熱処理まで技術とノウハウを凝縮して作られています。

熱電子銃の構造及び製造特徴

熱電子銃の構造及び製造特徴
材質:W、Re-W、Re、など

多種多様な先端形状(シャープド型、セミポイント型、ポイント型)

材質:Kovar、Mo、Ta
  • コバール(Kovar)鉄ニッケル系合金で、ガラスでの封止ができるため、真空部品で広く使われています。
  • モリブデン(Mo)非磁性の高融点金属、電子光学の高級部材です。メタライズロウ付けにてセラミックとの接合を行います。
  • タンタル(Ta)Moと同じく非磁性の高融点金属、電子光学の高級部材です。
材質:アルミナ(Al2O3)、ステアタイト(MgO-SiO)
細線とピンの接合:スポット溶接
ピンとセラミックの接合:ロウ付け、ガラスシール
  • ロウ付けセラミック表面にメタライズ処理を施し、ロウ付けでの接合、封止を行う方法です。
  • ガラスシール熱膨張率を調整したガラス(コバールガラス)を用いて、セラミックとピンを固定します。コストと納期はロウ付けよりメリットがありますが、気密性と使用温度に条件がつきます。

スポット溶接による精密組立

フィラメントの製造にはスポット溶接を行っております。その際に、フィラメント性能で重要な同芯度や平行度などの幾何公差や、高さ寸法などの寸法公差を高精度に組み立て致します。
スポット溶接機は自社開発したフィラメント溶接専用機を用いており、精度を出すための治工具類を各種用意して精密組立を実現しております。

芯出し調整

スポット溶接したフィラメントを金属ホルダーに取付後、芯出し調整を行います。
フィラメントはウェネルトに対してセンタリングされていないと、十分明るい電子線を得ることができないため、フィラメントの先端を中心に揃えさせるという芯出し作業が性能に関わる重要な工程です。
当社では専用の芯出し治具を独自に開発して使用しており、投影機にて全数検査を行い出荷致します。

プリセンタードフィラメントを使うと、ユーザーはフィラメント交換時のセンタリングが不要です。ウエネルト電極一体型フィラメントを使うと、ユーザーはウエネルトクリーニングも不要となります。
当社では引出電極等含めた電子銃ユニットの一括組立製造も請け負っております。

フィラメントの熱処理

また、タングステンの先端を針のように尖らせる先鋭加工法や、コイル型フィラメントの精密加工技術など様々な技術を保有しています。